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概要
本資料は、SecureGRIDアライアンスへの加盟に際して、必要となる初期作業をまとめたものです。
ご不明点につきましては、
こちらのお問い合わせフォーム
よりSecureGRIDアライアンス事務局にお気軽にご連絡ください。
コンテンツ
以下内容について記載します。
MISPの構築
ここでは、基本的なMISPの構築方法についてご説明します。
尚本資料では、実績のある推奨環境を前提として記載しています。事情によりその他環境での構築を行う場合、MISP本家のreadmeを参考に実施をおねがいします。
参考: MISP本家のインストール情報
必要環境
- OS: Linux(本資料ではUbuntu20.04 LTSを前提とします)
- メモリ: 16GB以上
- プロセッサ: 2コア以上
- ディスクサイズ: 30GB以上(投入予定データに依存)
- アクセス可能なグローバルIP(DNS登録は任意)
参考: データ件数と使用領域について
MISPのデータベースはMariaDBです。そのため、データ容量の検討は一般的なMariaDBと変わりません。
MISPの場合、データ構造は決まっていますが、ここにどのようなデータを入れるかによって使用領域は大きく変動してきます(IPアドレスばかりなのかテキストによるコメントなどを入れるのかなど)。
そのためあくまで一例ですが、我々の構築してきたMISPでの実測値をご参考まで記載します。以下をご覧いただくと分かるように、件数とデータサイズは必ずしも比例していません。
尚、以下で記載している件数は、MISPの一番細かいデータ単位であるアトリビュートの件数です。
MISP構築環境の検討にお役立てください。
- 200,000件: 700MB
- 5,500,000件: 78GB
- 230,000,000件: 400GB
- 600,000,000件: 377GB
インストール手順
- インストール対象の環境にログインします
- 以下コマンドを実行し、インストールシェルを開始します
wget -O /tmp/INSTALL.sh https://raw.githubusercontent.com/MISP/MISP/2.4/INSTALL/INSTALL.sh
bash /tmp/INSTALL.sh
bash /tmp/INSTALL.sh -c -M
- 画面の指示に従って入力を進めます
- 処理中にmispユーザを新規作成するか尋ねられます。
Noを選択した場合、カレントユーザがwww-dataとstaffグループに追加されます。
どちらを選択しても、MISPの動作には影響ありません。
id: `misp’: no such user
There is NO user called ‘misp’ create a user ‘misp’ (y) or continue as hoge (n)? (y/n)
- 処理中にDBの初期パスワードが自動生成されます。
こちらはMariaDBを開く際に必要です。
Admin (root) DB Password: hogehoge
User ?(misp) DB Password: hogehoge
- 問題なく完了した場合、以下でアクセス可能になっていますので確認してください(curlやwget・ブラウザ等)
https://localhost
ブラウザからは以下の情報でログインできます。
User: admin@admin.test
Password: admin
- 何等かエラーが発生した場合、内容を確認し可能であれば該当のエラーを解消した上で、インストールシェルを再実行してください
- エラー解消が困難な場合、SecureGRIDアライアンス事務局までお問い合わせください
参考: 完全な情報については MISP本家 の情報を参照してください
インストール後の設定
以降はMISPのV2.4.157の手順を記載します。最新は本家の情報をご確認ください。
- DBパスワード設定
まずMariaDBコンソールを開き、rootおよびmispユーザのパスワードを初期値から変更します。
続いて、下記ファイルのpasswordの値も変更が必要です。
/var/www/MISP/app/Config/database.php
- ページタイトル及びURL設定
/var/www/MISP/app/Config/config.php
について。ページタイトルはtitle_text、URLはbase_urlで変更できます。
base_urlには実際にWebでアクセス可能なIP、もしくはドメインのURLを設定します。
以下のメモリ設定については、他用途に使っていない(リソースを全部MISPに割り当てて良い)サーバの前提で記載しています。
DBとApacheに対し、おおよそ半分ずつのメモリを割り当てられるよう調整していますが、最適な設定値は各環境で異なります。
実際の設定はそれぞれのマニュアル等をご確認いただき、各自で行ってください。
- DB設定変更
/etc/mysql/mariadb.conf.d/50-server.cnf
について。当社で運用しているMISPでの目安を記載します。
- innodb_buffer_pool_size←実メモリの半分程度
- innodb_log_file_size←実メモリの1/8程度
- max_heap_table_size←実メモリの1/16程度
- tmp_table_size←実メモリの1/16程度
上記の全行を「Read the manual for more InnoDB related options. There are many!」の下に挿入します(デフォルトでは項目が存在しません。
- PHP設定変更
/etc/php/xxx/apache2/php.ini
(xxxはご使用のバージョンです。ご使用のバージョンは/etc/apache2/mods-enabled/内をご確認ください)
について、当社で運用しているMISPでの目安を記載します。
- max_execution_time = 3600
- max_input_time = -1
- memory_limit←実メモリの1/8程度(各セッションでの値のため、実際Apacheが使用するメモリはこれより大きくなります)
- log_errors_max_len = 8192
- post_max_size = 1024M
- default_socket_timeout = 600
各設定項目の変更後、DBとApacheを再起動します。
sudo systemctl restart mysql
sudo systemctl restart apache2
ユーザ作成
MISPを利用するにあたってはユーザごとにアカウントを登録する必要があります。
インストール完了時に表示された初期ユーザにてMISPにログインし、以下流れで必要なユーザを登録してください。
- 1
Administration
をクリック
- 2
Add User
をクリック
- 3 画面の入力フォームに情報をセットし登録を実行
ユーザ情報の入力画面の各項目について、よく利用する項目について説明します。
詳細については
こちらのマニュアル
等をご参照ください。
- Email: ユーザのメールアドレスでログインに利用。MISPの機能でメール通知を使う場合このアドレスに通知される。通知を利用しない場合は実在しない値でも問題なし
- Organisation: ユーザの所属グループ。MISP上のデータの公開範囲をこのOrganisationとイベント登録時に設定するdistributionの設定により制限することが可能。Organisationの作成については後述
- Role: ユーザの権限設定。各権限の詳細ついては
マニュアルを参照
- Authkey(編集不可): APIで利用するキー文字列
上述の通り、MISPにはユーザをグループ分けするOrganisationという概念が存在します。
このOrganisationを追加する場合は、以下流れで行います。
- 1
Administration
をクリック
- 2
Add Organisations
をクリック
- 3 画面の入力フォームに情報をセットし登録を実行
MISPへのデータの登録
MISPデータ投入ガイド を参照してください
SecureGRIDへのMISP追加
以下作業を実施いただく必要があります。
- SecureGRIDでMISPから情報取得するための認証キー(authkey)の提供
- SecureGRIDからの通信許可
SecureGRIDでMISPから情報取得するための認証キー(authkey)の提供
以下条件で、SecureGRIDポータルからデータを検索するためのユーザをMISPに作成してください。
ユーザの作成方法については、
前述の手順
をご参照ください。
- Email: securegrid@任意のドメイン。このメールアドレスにSecureGRIDアライアンスからメールをお送りすることはないため、実在しないアドレスで問題ありません
- Organisation: securegrid。MISPのイベントは原則securegridではないデータの所有者を表すorganisationに設定してください。その上で、SecureGRIDアライアンスにデータ公開するイベント・アトリビュートについてはdistributionを「this community」に設定してください。逆にsecuregridへは公開したくないデータについてはdistributionを[organisation only」としていただくことで今回作成いただくユーザからの検索ではヒットしなくなります
- Role: readonly。SecureGRIDポータルではデータの検索のみ利用するため、読み取りのみ許可いただければ問題ありません
上記条件で作成したユーザのAuthkeyをSecureGRIDアライアンス事務局までお知らせください。
SecureGRIDからの通信許可
構築いただいたMISPへのインターネットからのアクセスについて制限されている場合、SecureGRIDポータル動作サーバからのアクセスを許可いただく必要があります。
アクセス許可いただく必要のあるIPアドレス・ポート番号については事務局より別途お知らせいたします。